人参
JA全農さいたま 園芸販売部直販企画課
野菜ソムリエ
人参の歴史
人参の原産地はアフガニスタンですが、そこから東西でそれぞれ発達し、現在の西洋人参と東洋人参に分かれました。日本のスーパーでよく見かける短いものが西洋人参、おせち料理等に使われる細長い金時人参等が東洋人参です。日本へは江戸時代に入ってきたと言われています。
埼玉県の人参
人参は全国広く栽培されており北海道が出荷量ナンバーワンです。埼玉県は生産量が約25,000トンで、2014年時点では全国第10位となっています。所沢市をはじめとした県南地区を中心に生産されています。県内の栽培は11月~3月に収穫する秋冬人参と、5~6月に収穫する春人参に大きく分けられます。栽培されている品種は、色合いがよく、やや短めで太りのよいものが選ばれており、「彩誉」「向陽二号」「愛紅」等が主流です。
人参の栽培
人参は播種後には適度な水分がないと発芽せず、成長期には土壌水分が多いとなかなか根が伸びないと、圃場の水分管理には気をつかう野菜であったりもします。上手に人参を栽培するには、水分管理の他にも、深く畑を耕し、施肥・病虫害予防・土寄せ等、農家の努力がたくさんあります。
食べ方と栄養素
カレーや筑前煮のような煮物にする他、生で野菜スティック、千切りにしてきんぴらにしても美味しくいただけます。甘みの強い野菜でもあり、ジュースやケーキに入れることもあります。皮のすぐ内側に栄養分が多いので、皮は残したままか薄く剥く程度が理想的です。
また、人参は葉の部分も炒め物やおひたしにして食べることができます。他の葉物にはない爽やかな香りがするので、葉付きの人参を見かけたらぜひ召し上がってみてください。
人参のオレンジ色はβカロテンという成分で、これは食べられた後に体内でビタミンAに変化します。ビタミンAは脂溶性なので、油で炒めたり、油分を含んだドレッシングで和えたりすると、効率的に吸収できます。ちなみに東洋人参にはβカロテンはほとんどないのですが、代わりにリコピンが多く含まれています。
その他にも、食物繊維・ビタミンB・ビタミンC・鉄分等、体に良い栄養素がたくさん含まれる緑黄色野菜です。
給食会報177号(平成31年1月)から