ゆず
埼玉県農林部生産振興課
花き・果樹・特産・水産担当
ゆずの特色
ゆずは、みかん科の常緑半高木で柑橘類のなかでは寒さや乾燥、多湿に強く、関東北部まで生産されています。「桃栗3年、柿8年、柚子の大馬鹿18年」とのことわざにあるとおり、実をつけるまでに15年~18年の長い月日がかかりますが、実がつくのが遅いかわりに寿命が長く、病気にも強い樹木です。接ぎ木にすると早ければ5~6年で実がなります。
ゆずの果実はビタミンC、クエン酸を多く含み、特に果皮にはたくさんのビタミンCが含まれ、女性の肌荒れや冷え性に効果的です。果汁はカリウム、カルシウムを多く含みます。
5月下旬から6月上旬に丸くずんぐりした白い花を咲かせ、花からもゆずの香りが漂います。
栽培の始まり
ゆずは、中国大陸中西域の揚子江上流が原産地とされ、日本へは、奈良時代に中国から朝鮮半島を経由して渡ってきたと推定されています。独特の香りがあり、古くから薬用や調味料として、人々に広く愛用されてきました。
埼玉県内のゆずの産地は、毛呂山町、越生町ですが、その歴史は古く、奈良時代の名僧が東国行脚の途中、持ってきた種を毛呂山町の桂木山に植えた事に起因するとの伝承があり、一説には日本最古のゆずといわれています。
昭和の初め以降、毛呂山町滝ノ入地区から近隣に広がり、「桂木ゆず」の銘柄として全国有数の産地になりました。
生産状況
平成29年の埼玉県のゆずの栽培面積は27.1haで、このうちの約8割を毛呂山町と越生町で占め、200tが生産されています。
産地では、ゆずの生育に適した地形・気候を活かし、香りが高く、果皮の厚さと身の締りが良好な果実を生産しています。
利用状況
生産されたゆずは、高級料亭などで使用されるほか、京浜市場に出荷され、高品質なブランド品として、市場から高い評価を得ています。また地元の農産物直売所などでも販売され、各種の加工品とともに地元の名産品として喜ばれています。
ゆずの実 |
ゆずの花 |
給食会報179号(令和元年9月)から