トマト その2

埼玉県農林部生産振興課総務・野菜担当

食品豆知識(トマト)

トマトはナス科ナス属の植物で、分類学上はナス、ジャガイモと同じグループの野菜となります。トマトの語源は原産地のアステカ人が食用としていたホオズキのことを「トマトゥル」と呼んでおり、トマトも似たような姿をしていたためだと言われています。日本では古くはトマトのことを唐柿(とうし、とうがき)、赤茄子(あかなす)と呼んでいました。

トマトの原産地は南アメリカのエクアドルやペルーなど熱帯地域の標高2,000m~3,000mのアンデス高地と言われています。

トマトがヨーロッパで食用に供されたのは19世紀に入ってからで、我が国には17世紀に観賞用としてもたらされ、食用として広く栽培され始めたのは昭和に入ってからと言われています。

トマトの利用法は生食としてサラダに供するほか、ジュースなどの飲料、缶詰などの加工品、スープや煮物、炒め物などの料理など様々です。

トマトにはビタミンCのほか、赤色色素のリコペン、クエン酸が含まれています。

また旨味をもたらす成分である遊離グルタミン酸が多く、生食用トマトでは100gあたり約40~300mg、加工用トマトでは100gあたり約100~300mg含まれています。他の食材と比較すると、うまみの代表格である昆布では100gあたり2,240mg、しょうゆでは100gあたり782mgと、トマトと比較すると格段に多いですが、野菜の中で比較するとグリーンピースが100gあたり106mg、キャベツ、ほうれんそう、たまねぎ等は100gあたり50mg前後で、トマトは野菜の中で最も高い部類に入ります。

トマトは世界に10,000種類もの品種があるといわれ、色や大きさに多様性があります。国内で多く栽培されているのは大玉トマト(完熟系大玉トマト)、中玉トマト(ミディトマト)、ミニトマトです。他には皮が固くて真赤な色が特徴である加工用トマト、酸味が強い調理用トマト、水を極限まで控えて育てる特別な方法によって栽培されるフルーツトマトがあります。

トマトは今では年間を通じてお店で買えるほど身近な野菜となりました。埼玉県では深谷市や上里町、本庄市、加須市などが産地となっています。ぜひ日々の料理にご活用ください。

食品豆知識(トマト)

食品豆知識(トマト)

 

給食会報181号(令和2年4月)から

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