トマト
県農林部地産地消推進室
太陽がギラギラと照りつける夏がやってきました。太陽のように真っ赤なトマトがおいしい季節です。
昔は鑑賞用でした
意外に思われるかも知れませんが、トマトはもともと、南アメリカのアンデス山脈の砂漠地帯に野生していたナス科の植物です。
16世紀にヨーロッパに伝わり、日本には江戸時代にオランダ人によってもたらされました。しかし、当時は赤くてくさみが強く、おいしくなかったので、見て楽しむだけでした。たくさんの人々が食べるようになったのは、今から50年くらい前からのことで、現在食用になっているトマトはアメリカで改良されたものです。
夏ばて対策にトマト
トマトはとても栄養のある野菜です。特に注目したいのはビタミンCとカリウムです。ビタミンCが不足すると、少々の暑さで体がだるくなったり、疲れやすくなったりして、体全体の抵抗力が弱ってしまいます。
また、カリウムは体内でナトリウム(塩分)のバランスを取る働きをします。これからはどんどん暑くなり、汗もたくさんかく季節になります。夏ばて対策にトマトはぴったりなのでは?
埼玉県内のトマト
埼玉県では深谷市、北川辺町、上里町、岡部町、本庄市などがトマトの産地です。県内で栽培されているトマトの品種はそのほとんどが「ももたろう」で代表される完熟系の品種で、赤く甘味がでてから収穫され、ジューシーなのが特徴です。
最近はより甘いトマトの栽培の研究も進んでいます。最初に書いたようにトマトの故郷は雨の少ないところですので、ふるさとの気候と同じように水をあまりやらないで栽培すると、トマトの甘味が増します。
しかし、この栽培方法では小さいトマトしかできないという問題があります。
将来、技術が進歩すれば、より甘いトマトが簡単に手に入る日が来るかも知れませんね。
甘味いっぱいでジューシーな埼玉のトマト。暑い日は1個まるまるかぶりつくのも夏らしい食べ方なのでは。
給食会報127号(平成14年7月)から