なす
県農林部地産地消推進室
ことわざの題材に使われている野菜は意外と多く、今頃から旬の季節を迎えるなすもその1つです。有名なものを2点ほど紹介しましょう。
なすの花と親の意見は千に一つも無駄がない
なすの花はほぼ全てが実になることからできたことわざです。なすの名前の由来も「実が早く成る=成す」からついたとか。
実際に6月から10月いっぱいまでの間に、1本の木から約120個収穫できるそうです。
埼玉県のなすの収穫量は、平成13年度は1万5100トンで、全国第9位です。主な生産地は、児玉町、庄和町、岡部町、騎西町等です。
本県では、卵型の「千両2号」という品種が主流で、色々な料理に合うという特徴があります。
秋なすは嫁に食わすな
これも有名なものですが、ふたつの意味があります。
一つは秋に出回る秋なすは皮が薄く実が充実していて非常においしいので、嫁には食べさせたくないという意地悪な意味です。
もう一つは、なすを食べると体が冷えるので、嫁の妊娠への悪影響を心配したためという正反対の意味です。
確かに、なすは血圧を下げたり、体温を低下させる効果があると言われています。
また、赤ワインで有名なポリフェノールも皮に多く含まれており、抗ガン作用や老化防止にも効果があるそうです。
しかし、その他、ビタミンやミネラルなどの栄養素はほとんどなく、特別な味や香りもありません。その特徴の無さが和風、洋風、中華風と色々な料理に合い、多くの料理に使用されています。特に、油との相性が良く、なすの油炒めなどは夏ばてしたときなど、カロリーを取りスタミナを付けるのに最適です。
昔からのつきあいです
なすの原産地はインドで、日本には奈良時代に中国を経由して伝わったと言われています。
古くから私たちの食卓にあがっていた野菜だからこそ、多くのことわざに使われているのではないでしょうか。
なすを使ったことわざは他にもありますので、ぜひ探してみてください。
給食会報130号(平成15年7月)から