こんにゃく
県農林部地産地消推進室
流通網が発達した現在、私達は実に多くの食品をスーパー等で入手することができます。しかし反面、その食品の原料や、製造過程を実際に見る機会は少ないと思われます。
こんにゃくもそのひとつ。その原料がごつごつした芋だとはなかなか想像がつきません。
こんにゃくの作り方
こんにゃく芋の主成分はグルコマンナンという食物繊維で、水を加えると膨張してゼリー状になり、これに消石灰等のアルカリを加えると、固まってプリプリした食感が生まれます。
生芋こんにゃくはこんにゃく芋を茹でるか蒸して、すり下ろし、これに消石灰等を加えて固め、煮た後に水にさらしてできあがります。
しかし、生芋は保存が難しいことから、芋を薄く切って乾燥し、これを粉にしてこんにゃくを作る方法が江戸時代後期に考案され、現在はこの精粉こんにゃくが普及しています。一般に、精粉こんにゃくは白く、生芋から作ると皮が混じるため、黒くなります。
こんにゃく芋の栽培
こんにゃく芋はサトイモ科の多年草で生子(きご)という子芋を植えて秋に収穫し、春にまたそれを植え、これを3年位続けないと収穫できる大きさに育ちません。
また、こんにゃく芋は寒さに弱いため、寒い地方では精粉こんにゃくが普及し、現在でも、西日本は黒、東北や北海道等では白色のこんにゃくが好まれているようです。
昔から知られた健康食品
さて、こんにゃくの成分は水分とグルコマンナンが大部分ですが、これは胃腸で消化できません。
けれども、コレステロールを抑えたり、腸内細菌の働きを活発化させ、腸の中の悪い老廃物等を外に出す働きを助けます。こうした効果は古くから知られています。
埼玉のこんにゃく
埼玉県のこんにゃく芋の収穫量は平成15年度全国第4位。主に秩父地方が産地となっており、学校給食にも供給されています。
おでんのおいしい季節ですが、機会があったらこんにゃく畑を見てください。この芋からこんにゃくを作った、先人達の技術と努力はどれほどのものだったでしょう。
給食会報135号(平成17年1月)から