たけのこ
株式会社主計物産 代表取締役 主計 高広
春を彩る野菜タケノコ。竹の旬という意味から「筍」と書きます。日本でのタケノコの歴史は非常に古く、古事記や日本書紀にもその記述があるほどです。
原産国と福岡県の生産量
現在、広く食用として利用されているタケノコの代表品種はモウソウチクと呼ばれ、原産国である中国からの渡来竹です。福岡県には、1615年、現在の八女市に植栽されたことが最初とされています。気候と土壌がタケノコ栽培に適した福岡県の生産量は、1万3,500トン(平成24年)にのぼり全国1位となっています。
タケノコの特徴
タケノコといえば、1日に数センチも伸びる驚異的な成長力が特徴ですが、これは、外皮に含まれるトリアコンタノールという成長因子が成長を促進させるためということが判っています。
栄養成分としては、炭水化物、タンパク質、脂肪等がタマネギ・ダイコン・キャベツと同じくらい含まれ、血色を良くするビタミンB12も含まれています。食物繊維は、整腸作用をはじめ、肝臓がんの誘発に繋がるヘテロサイクリックアミンを吸着する作用なども最近の研究で明らかになっています。
食べ方
春に収穫されるタケノコですが、水煮製品に加工されることで年間を通じて食べられるようになりました。煮物、炒め物など、和食や中華など幅広い料理に使われています。
選び方と保存方法
タケノコは収穫した直後から急速に劣化が始まります。痩せ型でなく根元の色が乳白色で柔らかいものを選び、できる限り早く煮ることが美味しく食べる秘訣です。水煮を保存する場合は、水を張った容器(金属以外)に移し替え、冷蔵庫で保管し、お早目にお使い下さい。
水煮の白い塊
タケノコの栄養成分の一つであるチロシンです。チロシンはアミノ酸の一種で、元々含まれている成分です。水洗いして安心してお使い下さい。
(出典 福岡県森林研報)
給食会報166号(平成27年4月)から